農作業の姿

2023年1月

2023年01月28日

本年もよろしくお願いいたします

様々な活動自粛、景気不安から先の見えない低迷期の2023年を迎えました。様々な情報交換や参加型のイベントの減少、マスクで顔のわからない交流。これが普通になってしまい。なんとも味気ない世の中になってしまったことは否めません。ある意味人と関わるわずらわしさが減って良かったと思っている方も多いかもしれませんが、でもやっぱり楽しく、そしてみんな仲良く生きていきたいと思っているはずです

年末年始は大雪の日が多く、除雪作業は大変。ハウスや建物をがつぶれないかドキドキする日もありました。
冬季間、北海道の農家は何をしているのと疑問に思っているかもしれません、確かに雪の中畑で仕事をしていませんが、農閑期は会議や講習会、各種申請など意外に忙しかったりします。確かに除雪しているときは、エネルギーの無駄使いだな~生産活動じゃなくてもったいないなーと思っていますが、アルバイトをしたり講習会などに参加してスキルを高めるなど、この期間の使い方こそ差がつく要素だったりするのでは、と思ったりします
この季節各種団体が様々な講習会を開いてくれます、これは富良野市主催の「ふらの未来農業EXPO」の一幕
テラスマイル(株)生駒様のセミナーの様子
農作物物流の中で生産者が一番所得が低迷している、消費者に一番遠いところが一番損をすると言われます。昨今の値上がりほど生産者の販売価格は上がってませんからね、むしろモノ余りで買いたたかれる始末。成長パターンを構築しないと苦戦してしまうということです
表題は「データ活用」といったテーマだったのですが意外にも心打たれてしまった

歴史から見る苦戦パターン
1.労働集約型の大規模低コスト生産
2.販路のない少量多品目、勝手品質
3.用途の単一化
4.不安定出荷
5.販路依存
6.ピーク時出荷
7.高コスト設備投資
8.運任せ、市場任せ、閉鎖思考
9.設備と情報が整理整頓の意識を持続できない
10.消費型雇用から抜け出せない
あまり内容を書いてしまうと講師に申し訳ないのですが、いろいろ考えさせられました

上記7番、「高コスト設備投資」…きゃ~  

2022年7~12月の姿

2022年12月31日

2022年後半、温暖化で以前よりメリハリのある天候になってきた感があります。集中豪雨によって畑が流されます。傾斜地帯の宿命です
排水も埋まって下の畑に決壊
小麦も倒伏(倒れちゃった)ここに防除(薬剤散布)するのは切ない
秋小麦の収穫、登坂はおしりが上がります
この機械も25年近く稼働、特殊な傾斜地用なので部品供給も厳しくなりました。更新を検討しなければ
春小麦収穫。はるゆたかはまれに見る不作…雨続きなので収穫&わら丸めの突貫作業
小麦収穫後の残差をすき込みます
ディスクハロー 以外にこの機種(グレゴワールベッソン)は良い
カボチャの収穫。暑い中の人力作業なので大変、お手伝いいただく方々も高齢化が進んでいます
将来こういった仕事は誰が担うのか不安になります。機械化待ったなしなのでしょうが これがなかなか進まない
簡易耕起のデモ。今年はニューホランド様の機械を試用させていただきます
ドンディ ソイルミックス
トラクターもセット!どのメーカーも電脳化
自動操舵が付いています 従来はハンドルを機械式に動かすのですが、このモデルは油圧制御で操舵するのでハンドルは動きません。ハンドルの動きで機械の振る舞いを想像できないので前輪を見たりして、たぶん油圧式の方がハンドルの遊びがないので良い気はします
今回の機械の仕上がり、ちょっと凸凹ができるかな(深さにもよるのですが)
これは昨年導入したヒサルラー、仕上がりはどちらもまずまず。この作業はどこも熟成された感があります
軽トラ市 自粛ムードから少しづつイベントも復活してきました
軽トラ市 その② 人流はまだ以前ほどではないかな
農機具メーカー ニューホランドさんの展示会、展示会も久々の復活。価格上昇はすざましく写真の機械は4000万をこえています
北海道では小型の部類でも500万
イベントもリモート開催だったりします。四角内が私…次年度に向け生産資材の不足、価格高騰など不安な要素も多々ありますが、この自粛ムードから早く脱却し、以前の元気な世の中になってほしいと願います

2022年1~6月の姿

2022年06月30日

2022年も更新していませんでしたので、2023年1月にあわてて更新しています。2022年はコロナの影響に加えウクライナ情勢、本当に厳しい年となりました。景気の停滞、物価上昇など先の見えない不安は拭えません

3月に融雪剤散布
スノーモービルも散布機も大きくなって嬉しいのですが、今年はどっぷりはまりました・・・重くて人力では脱出できずバックホーで引っ張ってもらう羽目に
前々回のページでちょっと紹介した、衛星写真から生育状態を求めGPS位置情報から施肥量を変える技術(自動可変施肥)のレポートを少しお話します。使用データはスペースアグリ様、使用機械はビコンのワイドスプレッダです
セクションコントロール(可変施肥)を使用するにはライセンス(約17万)が必要です。GPS自動操舵機械に入れるか専用のモニターに入れるかの判断が必要です。自動操舵に入れると画面が1つですみますが作業画面が狭くなります、専用モニターに入れると画面が増えてトラクターの右側が機械だらけになります
今回は専用画面(イソマッチテラス(だったっけ))での画面です。パソコンで作成した施肥マップをUSBに保存。トラクター内の専用モニターにコピー、呼び出しは(黄四角)のボタンから・・・うちのは古いので日本語になりません
施肥マップと圃場データがセットで呼び出されます。ファイル名を変えても反映されなくて面積+使用量になっていた。これがどの畑なのか迷うの
圃場データーはグーグルマップで作成したデータになってしまうので、外周線がずれているところも多く、圃場外に散布してしまうことも(反対側はまかない)自分で走って作成したデータを使えると良いのですが、その場合はデータをスペースアグリに送って外周線を作成してもらう必要があります(これはできるのか未確認)
困ったのが外周を回るとき、実際は片側しか散布していないのですが、その反対側もマップを参照しています、そこにデータ(色が塗られていない)がないとエラーが出る
エラーが出ると散布をやめちゃうので 写真のように途切れ途切れになってしまう
一瞬出るこの画面の下のチェックを押すと一応エラーはでなくなります、が
散布はやめちゃうので、エラーが出る前に右の矢印ボタンで機能を切っちゃう。すると可変しなくなるのでそのままの散布量で作業することはできます。実際の畑より広いマップを作成できれば良いのですが、申し込んだ畑以上大きなマップは作成できないのです
たまにバグがあり、マップにぽっかり穴が開いていたりします。当然散布もやめます
こんな時も矢印ボタンを切ればそのまま散布します。
可変施肥で生育差をなくす、使用量を調整しコストダウンが可能などがメリットですが、散布量までは指示されないので自分で決めなければなりませんし、収量センサー付きの収穫機械がないとデータの検証ができません。ビッグデータの活用で最適な散布量をAIが求め、朝起きたら機械にインストールされているくらい手軽にならないと、普及しないかも
もう一つの取り組みは、直播ビートの発芽改善。今までの失敗の中で土壌のPh調整、水分が高い中播種すると生えない、土を細かくしないとダメ、でも粉粉の砂地も種が深いと生えないなど、なんとなくわかってきました。この地帯は粘土地も多く覆土不良では生えません、アッパーロータリーでで土を細かくし(正確にはコロコロを下にして砂だけをふるって上に置く)でも鎮圧も重要なのでパワーハローなどでさらに転圧して播種する。といった非常に面倒な工程になります。
農家減少で規模拡大の昨今、少しでも早く作業を終わらせたい。播種機の中でも不耕起用(少々硬い畑でも種をまいちゃう)機種があります。今回はこの機械を含め省力化を検証してみます
粘土地はせっかく土を細かくしても雨が降ると表面がカチカチ(クラスト層)になります、そこでクラストクラッシャーなどで土を割ったりするのですが、一部発芽しちゃったらできない。まずプラウ耕をやめて、簡易耕起で残差物を残す。パワーハローのみで土を細かくしない、播種機は不耕起用で土がこなれなくてもまいちゃう実験。不耕起用播種機は2枚の円盤で土を割りその隙間に種を落とし、すぐ後ろから鉄のローラーで種を埋め込む構造になっています。今回の機械はモノセム お値段高くてびっくり
ホコリが立つくらい乾いた土壌に播種し、後に雨が降るのがベストだと思うのですが、これは何とも・・・あとゴロゴロの粘土地では種が見えちゃって、さすがにここはダメでした。せめてロータリー耕か…むしろ硬いまま触らないほうがいいかも(でもこれは怖くてできない)

結果は今までよりは良かったのですがビートの検証はまだまだ、(Vローラーがない方が発芽が良かったりした)まだ検証が必要なんですよ。あぁ

2021年9~12月の姿

2021年12月31日

実演機をお借りしたよ(ヤンマーアグリジャパンさま)
この操作パネルの複雑さにたじろぐ…
馬鈴薯の収穫作業
牽引式より小回りが良いかも
収穫後すぐに秋小麦を播種したいのですが
簡易耕起の機械をいろいろ比べてみたい!
簡易耕起とはプラウのように土を上下反転させるものではなく、爪を差し込む事によって土を柔らかくする機械での工法です。メリットは土が早く乾き作業が早いこと。デメリットは作物残渣を完全に土に埋め込めない事
クボタ様よりマスキオ(メーカー名)
5本爪と、他の機械より爪の本数は少ないのですが、機体は大きくタフ。その分重いのと安全ボルトの交換がちょっと面倒なのが難点

ヤンマー様より(ミノス)後ろのローラーの格納方法が画期的、省スペースです
こちらは7本爪
トップリンクの取り付け位置が低く、機械を下げるとトップリンクがPTOカバーに接触。油圧ホースを破損して終了(ダメだこりゃ)
三菱マヒンドラ様より(ヒサルラー)7本爪
色味も良くそつなく動いたので購入はこれに決定。しかしフレーム強度が足りず購入後あちこちが曲がるオチ。。。今回ニューホランド様からの実演械提供はありませんでした(熊のぬいぐるみ並べておこうかと思った)
秋小麦播種予定でしたが大雨でせっかく簡易耕起したところがひどいことに…傾斜地は流れ、どれほど肥沃な表土が流出することか
やりなおし
合間を縫って洗車場建設
てん菜収穫
軽トラ市。消費者とのふれあいはプライスレスな価値があります
秋小麦の冬枯れ防除
冬近しの時期なので これがぬかる
黒大豆の収穫が遅れに遅れ、雪前最後のチャンスに挑戦
未熟が多く、結局ダメでした

振り返れれば本年度は不作、厳しい一年でした

2021年4~8月の姿

2021年08月31日

ずいぶん更新を怠っていてごめんなさい、新型コロナウイルスなどで激動の昨今気持ちも沈んでしまっているのが正直な気持ちです。(さらにウクライナ紛争が起こるのは、この頃知る由もないのですが)

4月の富良野はまだ雪が残っています、これは道路除雪で山になっていた雪を少しでも早く溶かす作業
畑を起こす前に、ライムケーキを散布。これは砂糖製造での副産物、アルカリ性石灰資材となり土壌の酸性を和らげます
土が乾いたところから畑おこし。遠くから見るとさほどではありませんが、傾斜がきつい
場所によって土質は様々。砂や粘土、こんな石も出てきます
GPSによる自動操舵も本格的に稼働し始めています、位置情報がわかるので中を抜いても並行に作業することが可能になりました
GPSで位置がわかることによって、衛星写真から生育情報を取得し、それに応じた生育マップを作り、肥料の量を調節できるようになりました
緑は生育良好、赤は不良。これを機械に入力し自動で施肥量を調節します。この技術の基礎研究を始めました
注意する点は、生育が悪いのか そもそも作物が生えていないかの確認。生えていない場所に肥料をたくさん投下しても無駄になります
これは小麦畑ですが、部分的に生育の悪い場所があります
一部の畑に縞萎縮病が発生してしまいました。土壌菌なので撲滅は難しい。機械などで土が移動するのを防ぎ、菌の拡大を抑え、耐病性の品種に転換していく必要があります
5月後半は雨が多く作業がとても遅れてしまいました
畑を柔らかくしてしまったので、雨が染み込んですぐには乾きません。適期からどんどん遅れ気は焦ります
待ちきれず播種(これはてん菜)正直畑が乾いていないと てん菜はうまく発芽しない傾向にあります
後日掘り出してみるとピンクのコーティング種から発芽しているのがわかります
しかし、水分の高い時期に播種したので、粘土畑はカチカチになり、発芽不良が懸念されます。このような機械で硬くなった土を砕いています
5月後半、部分的に作物が生えない場所があります
通常はこれくらいの状態なので、何が悪いのか土壌分析を行います。この地域は十勝岳の噴火によって堆積した火山灰の土壌、新しい場所は酸性が強く微量成分も不足しています。改良資材を投入してもすぐにはよくなりません長年の土づくりの大切さを感じます